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CHI 2008

今週はCHI 2008 に参加しています。CHI はACM が主催する Computer-Human Interaction の学会です。会場はイタリア フィレンツェの元要塞(五稜郭のような五角形をしています)の中です。SIGGAPHは毎年参加しているので様子がわかるのですが、SIGCHIは初めてなので、いろいろ戸惑っています(参加者はSIGGRAPHの1/10くらいでしょうか)。

初日は初心者向けに開催された Human-Computer Interaction : Intrudoction & Overview に参加しました。Keith Butler氏(Microsoft)は、「ユーザビリティ」の欠如は無駄なだけではなく危険だと述べ、X線照射装置のユーザビリティの問題で6人が死亡した例を指摘しました。また、UIに議論が進みがちだが、見えない情報アーキテクチャと、見えるUIデザインと、GUIの標準化という複数のレイヤーでの取り組みが必要だと指摘していました。工学的に設計(アーキテクト)段階でユーザビリティの測定とゴールを決めることも重要だと述べていました。彼の話は実践的で興味深いものでした。

David Kieras氏(University of Michigan)は心理学的な立場からユーザビリティを説明し、MHP(Model Human Processor)を導入することで、テストをしなくてもおおまかなユーザビリティの測定が可能であり、評価システムとしてGOMS(Goals, Operators, Methods, Selection)モデルを提唱していました。

Robert JK Jacob氏(Tufts University)はコンピュータ科学の立場からCHIを解説しました。興味深かったのはインタラクション テクニックのゴールは「2つのプロセッサ(人間とコンピュータ)間のチャンネル間のバンド幅を増やすことだ」と指摘していた点です。ユーザーとアプリケーション間にUIMS(Userinterface Management System)を構築し、それを記述するUIDLやToolについて紹介していました。

また、同じ時間に「Avoiding "We can't change THAT!": An Introdction to usability and software archtecture」といCourseも開催されていましたが、残念ながら裏番組だったので、参加できませんでした。